1.出逢った人の数 憶えては いないけれど 私の運命は いつも 誰かに 揺すられていた 夢の彼方の 王子様 現世(うつしよ)の恋人(あなた) いつかは終わる この恋は 心を 怯えさせる あなたと一緒に死にたい 永遠が愛を守るよう あなたと一緒に死なせて この手に 鋭小刀(ナイフ)を 握りしめて 紅(あか)く染めて風の中で二人 煌(きら…
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S c e n e7・未 完(これから)
ピンボーン♪ と門の呼鈴(チャイム)を鳴らす。 すると、小時(しばらく)してから、なんの返事も無しに玄関の押戸(ドア)が開いて、命くんが顔を出した。 私は、ニコッと微笑んで小さく手を振った。 二人とも今日から、二週間ぶりの学校。 勿論、一緒に行こうって誘ったのは私。 命くんが門を出ると途端(すぐ)に、私は命くんの手を取って、トットコ歩き出した。 あの日───、病院で目を醒ました私の目…
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S c e n e6・復 活(いきてかえる)
「………これが………、これが命くん…なんですか………? この光の球が、命くんなんですか!?」 制服の胸元と左の袖口を自分の血で染めた私は、跼坐(しゃが)んで、排球(バレーボール)くらいの大きさの光の球を両手で抱えた。 光の球は鋭い眩しさじゃない、優しくて柔らかい光を発(だ)している。 そして光の球を胸に抱くと、確かに命くんを感じた。 臆病な、けれども温かい命くんを。 私は、さっき尋ねた、…
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S c e n e5・終 焉(おわりのとき)
その日の昼休み─────。 私は屋上に上がり、さらに梯子を使って昇降口の上に登った。 風が強い上に、防護柵(フェンス)も何も無いから、かなり怖い。 まあ、そんなに端まで行かなきゃいいんだし、屋上の防護柵(フェンス)との問に1メートルくらの隙間があるから校庭の花壇に真っ逆様という事も無いでしょ………。 こんな場所(ところ)に来たのは、当然(もちろん)私の意志じゃない。 大将に誘われたから…
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S c e n4・困 惑(とまどいながら)
明日(あした)から学絞か………。 昼間のうちに退院して家に帰った私は、夕食の後すぐに寝間着(パジャマ)に着替えて寝床に入った。 本当は生活練習(リハビリ)のために、数日(しばらく)は自宅療養っていうのをしなくちゃいけないんだけど、家の中に籠(こも)ってはいたくない。 勿論、サッチやトマト、それに大将と顔を合わせるのは、ちょっと抵抗ある。 でもサッチとは早く会って、ちゃんと話をしないといけ…
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S c e n e3・変 遷(うつりかわる)
空気が重い───。 空気が熱い───。 ここは、何処───? 濁った紅い色の空が広がっていて、紅蓮の炎を噴き上げる山々が連なっている。 現実の世界だとは思えない。 夢……? 夢にしたって、こんな光景は初めて見るし、恐(すご)く生々しく感じる。 なんか、見ていると、こう…胸が吐気(ムカムカ)してくる光景。 ───あっ、飛んだ!? 人間が空を飛べるわけ無いのに、ましてや飛ぼうなんて…
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S c e n e2・欠 陥(かけているもの)
小装飾店(アクセサリーショップ)に寄り道した帰り、私たちは夕暮れのいちばん奇麗な時間の荒川の土手を、小装飾(アクセサリー)の話しで盛り上がっていた。「あ~あ、フッちゃんが羨ましい」と洩らすサッチ。 「なにがよオ?」と尋ねる私。 「だってさ、フッちゃんはああゆうのくれる男子(ひと)が多勢(たくさん)いるんだもの」 「冗談じゃないわ。そりゃあ美男子(いいおとこ)から貰うなら嬉しいけどォ、みんな鏡と相…
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S c e n e1・関 係(かかわるひと)
六時間目終了の合図(チャイム)が鳴り、私の号令で全員(みんな)が先生に礼をすると、教室の中は急に騒がしくなった。 友だちと無駄話(おしゃべり)を始める人や、教室を飛び出して帰る人、箒で芥塵(ごみ)を掃く掃除当番……。 私はというと、学級日誌を机の上に開(ひら)いた。 私、古谷優子(ふるや ゆうこ)。 東京近郊を流れる荒川の近くにある公立中学、鳩ノ巣中学校に通う二年生。 もちろん、女子。…
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OP・♪恋する乙女心
1. 出逢ったことは 偶然 つき合うことは 必然 別れの時は 突然 Once again,Once again,Once again 初接吻(ファーストキス)に ドキドキ 浮気を知って チキチキ 許せないまま ズキズキ Call me please,Call me please,Call me Please 閉じこもりたくはないの いつでも前向きに 気まぐれなん…