文/清水銀嶺 画/犬山しんのすけ メイド服は制服の一つとして認識されている。制服の最も端的な機能は、所属する集団と他者とを明確に区別することであろう。それによって装着者の帰属意識を高め、連帯感を醸成させるのに一役買っている。有名な新撰組が、青と白のダンダラ模様の隊服を作ったのも、出自がバラバラの隊員を統率するためだったと云われているし、メイドという職業においては雇い主との階級や身分の違いを示して…
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【メイド喫茶論考】 女性が作るムーブメント
文/清水銀嶺 画/犬山しんのすけ オタク文化として語られることが多いメイド喫茶。そのオタク文化なるものが世間では、男の文化として捉えられている。これは多分に、オタクという言葉が世間に広まったキッカケが、宮崎勤による連続幼女殺人事件だからだろう。 実のところ、当時すでにオタクという呼び方は、アニメファンなどの間では死語になりつつあった。 一方、殺人事件によってオタクのイメージが一般世間に最悪の…
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【メイド喫茶論考】 メイド喫茶を取り巻くジェンダー
文/清水銀嶺 画/犬山しんのすけ 女性がメイドに扮して、男性がそれを愉しみに商業施設に訪れるというのは、性の商品化という問題に突き当たる。 しかし、女性店員は望んで勤めており、一部のマナーを守らない輩を除いては、男性客もまた同じ空間を共有することに協力的である。さらに、女性客が訪れることも珍しくなく、反対に男性が執事として迎える形態や、男装した女性がもてなす店もある。 漫画誌などは今でも、「…
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【メイド喫茶論考】 組み合わせの妙
文/清水銀嶺 画/犬山しんのすけ メイド喫茶を初めて知ったとき、その組み合わせを奇異に感じたことだろう。あたかもそれが突然変異で現れたかのように。しかし、それは現れるべくして現れたのだ。 例えば、「マヨラー」という言葉を覚えているだろうか。なんにでもマヨネーズをかけて食べる人のことを、そう呼んでいたことがあり、マスコミでは奇異なものとして取り上げていた。しかし、マヨネーズの原料は卵と油と酢。卵…