31:新章・さあオタクになろう『ロボ編』
さて、前回でとりあえず、「オタク的」なスタンスを身につけるための要点を総括したところで、今回からは趣を変えて、より具体的に「生き延びる現代オタク」となるためのテキストを模索していこうと思う。
「オタクになり方なんて無い」と言うのは某マンガの名台詞(★補1)で、それはある意味真理ではあるのだが、「理屈と膏薬はドコにでも付く」と言う名言もあり、とにかく「盾と矛」が必須の時代、切り込む最初の一歩を踏み出す手がかりだけでもあれば、後々の世代に対して、何らかの手助けにはなるのでは……という次第。
と言うわけで、まずはオタクと言えばアニメ、アニメと言えば「ロボット物」と言うことで、ロボットアニメオタクになるための方法論から模索していこうと思う。
ロボットアニメである以上、まずはメカが好きである事は必須……というわけではない。
意外かも知れないが、ロボットアニメの「真髄」がドコにあるのかを考えれば、機械仕掛けに興味があるか否かなど些細な問題なのである(もちろん、あるならあるで何ら困りはしないのだが)。
では、ロボットアニメとはそもそも何なのであるか?
その出自を鑑みてみるに、「大いなる力への憧れ」=「ヒーロー物」の一流派なのである。
スーパー系とリアル系と言われる2つのジャンル、そのどちらでも、面白いロボット物とは、まず登場人物が魅力的であり、それに付随してメカニックが「キャラクターとして魅力的」であること、これが重要なのである。
唯一無二のスーパー系にせよ、その世界ではありふれた道具に過ぎないリアル系にせよ、それがロボットである以上、戦車や戦闘機など、他のメカに置き換えても成立するような使われ方しかしてないようでは、魅力など感じ様がないのだ。(★補2)(以下次号)
★補1
日々好きな物を愛で、ソレとの同一化を自然とこなすことがオタクの現実であるから、オタク本人に言わせれば「気がついたらなっていた」と言うのが当然である(笑)
しかし、オタクというのは同時に「自分で考える力がある」=「疑い深い」のである。
あの台詞を見てからこっち、「ホントにそうか?」と、自らの持ち得るオタク力の一部を「オタクのなり方を解明できないか?」と言う点に注ぎ続けてきた結果が本稿なのである。
★補2
ヒロイックにデザインされて超常的な活躍をするのがスーパー系、いかにも工業製品としてありそうなデザインで、機械然とした動きを見せるのがリアル系とされているが、どちらにしても手足が付いている以上、その機能を生かした動き方・使われ方をしていないとロボットである意味はない。
ガンダムの名言「足なんて飾りです」には、手足があってもソレを生かし切った演出を毎週毎週はやりきれないという、当時の製作現場の限界への皮肉とも取る事が出来る。
◆次回は「32:このロボットアニメを見よう1」
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&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 執筆者紹介 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
◆星雲御剣(せいうん みつるぎ)
80年代後期ファミコンブームの頃から各ゲーム誌で攻略記事を担当。
ゲームのみならず、マンガやアニメにも造詣が深く、某大手出版社の入社試験では、面接官に聞かれたウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムの顔と名前を全部言い当てたのが合格の最大の決め手になった、と言われている(笑)。
独特のオタク感を実生活に反映させる生き様を模索、実践する求道者。
◆清水銀嶺(しみず ぎんれい)
唐沢俊一氏主宰の『文筆業サバイバル塾』第一期塾生。
既刊『メイド喫茶で会いましょう』(共著)
『ためログ』にて記事を執筆。