《オタクサバイバルNEXT》 第1回「オリジンの完結とAGEの開始」 ~「リメイク作やシリーズ新作の分析法」などを考察してみたいと思います。

執筆 : 星雲御剣/注釈 : 清水銀嶺

N01:オリジンの完結とAGEの開始

 私事(★補1)であたふたしている間に、世の中激動してまして、ちと予告とは違った方向へシフトします。
 とりあえず、ガンダムの話題と言えば、『ジ・オリジン』の完結、アニメ化企画始動と、AGEの放送開始でしょうか。
そこで、「リメイク作やシリーズ新作の分析法」などを考察してみたいと思います。
 批評・レビューには、どうしても語り手の好き嫌いの要素が入りがちです。
 ですが、不確定要素の大きい好き嫌いを除外した講評のテクニックという物が、実はあるのです。
 幅広くアンテナを張って情報を集めている「博学」なヲタクというのは、大なり小なりこのテクニックを用いています。
 そのテクニックと、感想を出す際の分析にはいくつかの手順を踏む事なんで、順番に1つずつ、解説していきましょう。
 まず、講評する作品の要素を「演出」と、「物語」とに分解してみます。
 「演出」とは、作品のジャンルを形作る設定や、キャラクター、メカニックなどのデザイン、作画のクオリティや動画の完成度など、ある程度事前情報で分かる部分の事です。
 前述の好き嫌いというのは、概ねこの部分に関わる要素であり、食わず嫌いを生むのも大抵はこの部分であると言えます。
 一方、「物語」は実際に見てみないと分からない事が多い、主人公をはじめとした人物ドラマの部分です。
 実は「物語」部分は、ジャンルや設定などを超えて、面白い物を構築する要素と展開がある程度公式化されています。
 「好きなジャンルじゃないんだけど見てみたら面白かった」経験は誰しも1~2度はあると思いますが、この部分の完成度が高い作品は、好き嫌いを超えて面白い事が多いのです。
 完全な新作を見ようという際にも混同しがちなこの2つの要素ですが、ことリメイクやシリーズ新作ともなるとさらにその傾向が顕著。
 次回、もう少し突っ込んで行きます。


補1
 まずパソコンが壊れた。
 あたふたしてる間に震災。
 自宅は被害無かった物の、よりにもよってその日に仙台出張中だった実家の母が一時音信不通……まあ、無事だったんですが。
 そうこうしているうちに月日がたっちゃって、原稿ストックが尽きちゃいました。
 この機会に、今後は、わりと時系列に即したネタで行こうか、と思います。

◆次回は、N02:『物語』に必要な『葛藤』と『断絶』
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&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 執筆者紹介 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
◆星雲御剣(せいうん みつるぎ)
 80年代後期ファミコンブームの頃から各ゲーム誌で攻略記事を担当。
 ゲームのみならず、マンガやアニメにも造詣が深く、某大手出版社の入社試験では、面接官に聞かれたウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムの顔と名前を全部言い当てたのが合格の最大の決め手になった、と言われている(笑)。
 独特のオタク感を実生活に反映させる生き様を模索、実践する求道者。
◆清水銀嶺(しみず ぎんれい)
 唐沢俊一氏主宰の『文筆業サバイバル塾』第一期塾生。
 既刊『メイド喫茶で会いましょう』(共著)

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