3月22~25日まで東京ビッグサイトで開催されていた、『東京国際アニメフェア2012』(通称、TAF)が閉幕した。
昨年は、東京都で改正された『青少年健全育成条例』が「漫画やアニメーション等の表現の自由を奪う」として参加予定企業が分裂し、『ANIME CONTENTS EXPO』(ACE)が対抗する形で同時期開催するはずだったものの、東日本大震災によって中止となった。
一年のブランクを置いて開催された今回は、2010年度と比べて来場者は25%減少し、4日間の動員は約9万8千人にとどまった。
実際、一般公開日に取材に訪れたが、通路は人が混み合うこともなく、各ブースもラジオ番組の公開収録などのような特別な物が無いところは、閑散としている印象だった。
また、例年は子供や家族連れを対象としたゲームや体験型のブースがあったのに対して、今回は、エアトランポリンや滑り台といった明確に子供向けのコーナーが設けられていた。
もともと「国際アニメフェア」と銘打っているように、内外のアニメ制作会社同士や出資者を引き合わせてビジネス上の交流をはかるのが、このイベントの目的の一つである点からすると、今回は「見本市に原点回帰」したと云えるだろう。
つまり一般公開日は、いわば国内外のアニメ産業の最新の情報に触れる場であって、イベントを楽しむというような性格のものでは無いので、来場者の減少は必ずしもマイナスではない。
まだ開催前の『ACE』がどのようなイベントになるのか分からないが、もし『ACE』がファン感謝イベントのような内容になるとすれば、一部で報道されているように『ACE』と合流する場合、『TAF』の開催目的が改めて問われることになるかもしれない。
※2013年の『東京国際アニメフェア』は、3月21日(木)~24日(日)
(21日・22日:ビジネスデー、23日・24日:パブリックデー)の4日間
会場:東京ビッグサイト