<<通巻3号>> 3:始祖がオタクだった・その1

記事提供元:北園茶房
執筆 : 星雲御剣/注釈 : 清水銀嶺

3:始祖がオタクだった・その1
 唐突だが、話は十万年前までさかのぼる。
 いわゆる原始時代というやつだが、人が猿から猿人、原人を経て現代人類に至る道のりの中に、「そもそも人類は皆オタクである」ことへの重大な証拠があるのだ。
 人間は猿から進化したというのはもはや定説の様に語られているが、最新の考古学によると、かつて人類は一種類ではなかったらしいのである。
 現在、猿にもゴリラやオランウータン、チンパンジーなど色々あるように、人類にも何種類かの「亜人類」が存在した時代があったらしいのだ(余談・筆者は長年、『はじめ人間ギャートルズ』(※注1)のドテチン、……主人公ゴンの相棒の、あのゴリラだか人間だか微妙な存在が不思議でならなかったのだが、この話を聞いたとき、ああ、あれはそういうことだったのか、と奇妙に納得してしまった)。
 これが、およそ十万年ほど前に、火山活動の激化や氷河期(※注2)の変遷による気候変動などが起こると、ほぼ全ての亜人種が滅んでしまい、唯一、我々のご先祖となる一団だけが生き延びる事になったらしい。
 身体的能力や、道具を作る程度の高低はさほどの差がなかった亜人種たちの中で、なぜ、我々の先祖だけが生き延びたのだろうか? 
 ここに一つ、興味深い遺跡が発見されている。 南アフリカの某海岸線で、この激動期直後頃の洞窟住居が発見されたのだ。
 この住居から発見された石器には、それ以前の時代には見られなかったある特徴があった。それは「装飾」が施されていたことである。
 単純な斜め線が交差するシンプルな刻印模様であるが、この模様は、道具としての機能には一切関係がないただの飾りなのである。
 これこそが、人類初の「生存には直接関係ない趣味的行為」……言ってみれば「オタク的文化活動」の痕跡なのだ(以下次号)。


※注1……はじめ人間ギャートルズ
※注2……氷河期(ひょうがき)
次回は「4:始祖がオタクだった・その2」
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&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 執筆者紹介 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
◆星雲御剣(せいうん みつるぎ)
 80年代後期ファミコンブームの頃から各ゲーム誌で攻略記事を担当。
 ゲームのみならず、マンガやアニメにも造詣が深く、某大手出版社の入社試験では、面接官に聞かれたウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムの顔と名前を全部言い当てたのが合格の最大の決め手になった、と言われている(笑)。
 独特のオタク感を実生活に反映させる生き様を模索、実践する求道者。
◆清水銀嶺(しみず ぎんれい)
 唐沢俊一氏主宰の『文筆業サバイバル塾』第一期塾生。
 個人ブログ『オタクの辞典』を開設。
 既刊『メイド喫茶で会いましょう』(共著)

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