士郎正宗によって描かれた漫画作品。英語タイトルは『GHOST IN THE SHELL』で、士郎氏は英語タイトルを正式タイトルにすることを希望していたとされる。元ネタは、アーサー・ケストラーの『The Ghost in the Machine(機械の中の霊)』。
押井守監督による劇場版アニメや、神山健治監督によるTV版アニメなども制作された。押井版は海外で高く評価され、『マトリックス』を制作したウォシャウスキー兄弟に影響を与えたとされる。また、神山版は『東京国際アニメフェア2003 公募・アニメ作品部門優秀作品賞』を受賞している。
原作者である士郎氏からは、設定の改変を容認する一方、最終的には原作の雰囲気に回帰するようにとの要望が出されている模様。
舞台は、第三次核大戦と第四次非核大戦を経た近未来で、特に脳に電子的な素子(デバイス)を埋め込んだ電脳化や、手足や全身を機械化したサイボーグ、あるいは模擬人格を持ったアンドロイドなど、人間の能力を向上させたりサポートする技術が進んでいる世界観となっている。
主人公たちは、内務省直属の公安警察組織『公安9課』に所属しており、通常の警察が犯罪の抑止や犯罪発生後の犯人逮捕などを行なうのと違い、犯罪に対して諜報活動や破壊活動、暗殺などを辞さない「攻性」の対処をしていく。タイトルの『攻殻機動隊』は、その性質に由来し、『公安9課』の別称である。
アニメ版では長台詞のやりとりで世界観や哲学的な思索などが語られているが、原作においてはコマの余白に膨大な作者の解説やコメントが添えられており、読むのに非常に疲れる。もっとも、原作ファンは、それを愉しんでいる。