いよいよ発売となりました『メイド喫茶で会いましょう』。
本編では、内容をギュッと詰まった物にするため剪定した枝葉があります。
そんな枝葉の余聞を、雑文として書いていこうと思います。
皆さんは、メイド喫茶を初めて知ったとき、どう思いましたか?
その組み合わせを奇異に感じたかもしれません。
あたかもそれが突然変異で現れたかのように。
でもしかし、それは現れるべくして現れたのだと私は思っています。
例えば、「マヨラー」という言葉を覚えているでしょうか。
なんにでもマヨネーズをかけて食べる人のことを、そう呼んでいたことがあり、マスコミでは奇異なものとして取り上げていましたし、私の周りでもそのように話す人が多くいました。
でも、マヨネーズの原料は卵と油と酢です。
卵が絶対に合わない食べ物を列挙するのは案外と難しいですし、油を使わない料理を考えるのも結構大変だったりします。
腐敗を抑える酢の酸味や味が苦手でなければ、マヨネーズを避ける理由は少なくなるはずです。
文豪の森鴎外の好物が、「饅頭を乗せたお茶漬け」だったという話は雑学のテレビ番組で取り上げられたりして、「気持ち悪い」と思った人もいるようですが、これも現在の味付けされたお茶漬けの素や居酒屋のお茶漬けを想像するからであって、鴎外が用いたのが煎茶だったということを考えると、餡子と餅米でおはぎになるのだから、煎茶との組み合わせは、それほど合わないこともないでしょう。
他にも、酒飲みを辛党と云うことから、甘い物を好む人を甘党と呼んで、酒飲みが甘い物を食べると「辛党なのに甘い物も好きなんですか?」と問う人がいますが、元々は、酒飲みを辛党と云う連想からの洒落で「飲めない人のこと」を指して甘党と呼んだのであり、かつ江戸時代には酒の肴に羊羹などの甘い物を用いたというくらい、昔の日本酒は本当に辛口だったそうですから、歴史の中で言葉の意味が変化し、物へのイメージも変わったために起きた例だろうと想像できます。
メイドと喫茶店―――。
この奇妙に思える組み合わせもまた、その背景や周辺情報を知ることで印象が変わるのではないでしょうか。
という訳で、詳しくは『メイド喫茶で会いましょう』をご覧下さい。
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『メイド喫茶で会いましょう』 番外地2「メイド喫茶を取り巻くジェンダー」
『アキバBlog』にて、本著『メイド喫茶で会いましょう』が取り上げられていました。
ありがたいことです。
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